現代における賢明なる投資家の実践

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例年より14日早い春一番となりました。暖かい日が続きますが風が強く、散歩するくらいなら問題ないですがゆっくりと過ごすには少し厳しい一日です。昨日はグレアム著「賢明なる投資家」を読み返しました。本書に書かれている内容は、具体的な個別銘柄の分析のようなものでなく、投資にかかわる心構えやスタンス等が中心となっておりますが、具体的に実践するとなればどのような方法になるでしょうか。本書においては、投資家を「防衛的投資家」と「積極的投資家」の2種類の区分で説明しています。これらそれぞれの立場から、現代の投資家で考えられうる投資手法について、私の意見を書きたいと思います。

1.防衛的投資家

そもそも投資とは、「詳細な分析に基づいたものであり、元本の安全性を守りつつ、かつ適正な収益を得るような行動」と説明されています。そのうえで防衛的投資家とは、「安全かつシンプルな投資を好む人」と定義されています。具体的な組入れ基準も明示されていますが、おおむね①10~30銘柄程度の分散、②財務内容の良い大企業、③長期に渡る継続的な配当金支払いの実績といった内容です。さらに上記に加え、適切な銘柄選定さえされていれば頻繁な銘柄変更は必要ないはずであり、ドルコスト平均法についても取り上げられています。(ただし、当初は十分な投資環境が整っておらず、実践することは難しいようでした。)

できうる限りシンプルかつ安全という基準を満たす投資方法としては、信託報酬(各投資信託ごとに設定されている手数料)が出来る限り安いインデックス型の投資信託を選択することになります。本書が書かれた当初はまだインデックス投資という手法が一般的ではないのですが、「財務内容の良い大企業を最大30銘柄程度選択する」というのが当初で言えばダウ平均銘柄を選択することに相当するとすれば、ほぼ現代のインデックス投資と同じといえるのではないでしょうか。

現代では、購入手数料は無料(ノーロード型と呼ばれている)、さらには年率で発生する信託報酬も0.1%を下回る良質な投資信託が多数あります。以下に主流となるインデックス型の投資信託を記載しており、いずれも主要ネット証券で積立設定・購入することが可能です(一部取り扱いがないこともあります)。基本的にはどれを選択しても、本項であげる「防衛的投資家」としての目標は達成できるものと思います。

  1. eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
  2. eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
  3. SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
  4. 楽天・全米株式インデックス・ファンド
  5. たわらノーロード先進国株式

2.積極的投資家

本項の内容に入る前に、ここからの内容については適切な企業分析(財務諸表を読みこなし、解析できることや、業界の特徴や歴史を自ら調査し、所属する企業の立ち位置を明確にできることなど)ができることを前提とするので、そういった知識や能力がない、あるいは自身がないという方は、先に勉強することを強くお勧めします。

次に積極的投資家については、防衛的投資家を上回る収益を上げることを目的とする人です。ただし、平均以上の収益をあげることは容易ではなく、以下のような方法で成功しようとすることは否定されています。

  • トレーディング:短期的な値動きを利用して差益を得ようとすること
  • 短期的な銘柄選択:これから(主に短期的な)収益の上昇が見込める会社の株式を買うこと
  • 長期的な銘柄選択:過去に目覚ましく成長した実績があり、今後も同様の傾向が続くことを見越して株式を買うこと

長期的に将来の収益を予想するという分野において、プロのアナリストを上回る個人投資家は皆無であるという点は、本書籍が発行された60年以上前から変わっていないと思います。

そんな中で積極的投資家に役立つとされる以下の2つの方針が提示されています。

  • 本質的に安全で将来性のあることをする
  • 一般的ではないことをする

本質的に安全であることとしては、長期的に安定的な収益をあげ、十分な配当金支払い実績があり、なおかつ財務良好な企業を選択することに尽きます。未だ達成していない将来の成長を予測するよりは、現在の状態が継続するかどうかを考える方が、容易かつ可能性が高いためです。

一般的ではないことについて、近年でもあげられることとしては、

  • タバコ銘柄への投資:ESG投資の流れに逆らい、訴訟も多く人気が低い
  • (少し前の)商社株への投資:事業ポートフォリオが複雑であり、かつエネルギー資源等不安定な要因を抱えているとして忌避されていた
  • 中小型株への投資:流動性リスクという点で割安となりやすい、大口の投資家は流動性の低さから投資しにくい

上記に当てはまる銘柄については、設立からの歴史が長く、かつ長期的に安定した収益をあげる企業も多く存在している反面、比較的割安で購入できることも多く、期待収益率が高く条件の良い銘柄を見つけやすいです。また、これらの銘柄でも、あくまで集中投資ではなく30銘柄程度の分散投資でポートフォリオを組むことで、より積極的に収益を狙う「投資」を行うことが可能であると思います。

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