【銘柄分析】国内石油業界 – 原油・天然ガス開発生産

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本記事では、国内石油業界のうち、原油・天然ガスの開発生産を手掛ける3社を紹介します。
石油業界は、主に「開発生産」「精製販売」「専門商社」の3種類に大別できます。本件にて紹介する「開発生産」は、油田・ガス田の開発及び権益取得により、これらを生産販売する業界です。
今回紹介する銘柄は、「INPEX」「石油資源開発」「三井物産」の3社です。
三井物産だけはこの業界の専業ではなく、国内大手総合商社であり、その傘下の三井石油開発が事業を担っています。

業界の特徴

最初に業界の特徴として抑えておくべきことは、これら業界に所属する企業の利益は、主に原油価格と為替に大きく左右されるということです。
当然原油価格が上昇すればするほど、販価の上昇により利益が上がりますが、その逆も然りです。
また、ドルベースの利益は円安であるほど、円建ての利益には有利であり、円高であるほど不利になります。

先のロシア-ウクライナ戦争や、アメリカの金融引締めにより、2021年頃を境に原油価格や為替(ドル円)が大きく変動しています。
下の表は、原油・天然ガス開発生産企業の1株当たり純利益と、原油価格、為替が、2015-2020年と2021-2023年平均の間で、どのように変動したかを示しています。
2021-2023年平均は、2015-2020年平均に対して、原油価格、為替いずれも上昇傾向にあります。
それと同時に、3社の純利益も上昇していることがわかります。

これらの特徴から注意しなければならないことは、原油価格や為替の変動により、利益が2分の1から10分の1程度に減少することもあることを考慮して投資検討する必要があるということです。
たとえ間違えても、これら業界に集中することが無いよう、ポートフォリオを組む必要があります。

銘柄分析

<各社の財務データ>

下の表は、3社の基本的な財務情報です。

1株当たり利益(EPS)は、INPEXと三井物産は上昇傾向といえますが、石油資源開発は減少しています。注目すべきはその増減率で、2014-2016年と2021-2023年の平均を比較して、INPEXと三井物産は4~5倍に増加しているのに対して、石油資源開発はおよそ40%も減少しています。
これらの事実から、投資利益の原資となる企業の純利益が容易に変動しうるという特徴が伺えます。

配当金については、石油資源開発のみ2024年は大幅に減配することが予定されている点は注意すべきです。

<投資対象としての比較>

次に、下の表に各社の投資指標の比較を示します。

株価の割安度合いを示す株価純資産比率(PBR)、株価収益率(PER)は、各社おおむね割安といってもよいでしょう。(株価が割安である目安は、PBRが最大1.5倍、PERが最大15倍としています。)
これは、上記でも触れたようにこの業界に所属する企業の利益が不安定であるため、事業価値が低く評価されていることに起因していると考えられます。

また、3社のうち三井物産は、他の2社と比較してやや割高となっています。
冒頭でも紹介した通り、三井物産は総合商社として別のビジネスも営んでいるため、事業ポートフォリオが分散していることが評価されていると考えられます。

収益力については、各年の利益変動が著しいため評価が難しいところではあります。
自己資本利益率に着目するとおおむね8~17%となっており、日経平均全体で見れば10%を下回ることから、収益力は平均より高いと評価することができます。
また、過去10年間の赤字の有無については、3社とも赤字となった実績があります。

次に配当金ですが、配当利回りがINPEXと石油資源開発は3%台、三井物産は2.2%となっています。
INPEXと石油資源開発は株価が割安であることから配当利回りも高くなっています。
各社2024年の予想配当性向は30%以下と、配当金の原資となる利益には余裕があります。

まとめ

この業界全体として、株価の割安度を示す指標は魅力的に感じます。

しかし以下の点から、慎重に分散投資を検討したうえで、少量の比率ずつをポートフォリオに組み込むようにすべきでしょう。

・3社ともに過去赤字を記録している
・過去、急激に利益が増加、または減少している

また、これらの銘柄は円安、原油高によって利益が上昇し、円高、原油安によって利益が減少します。
ポートフォリオを組む際は、これとは異なる特性の銘柄と組み合わせることで、ある程度リスクをヘッジすることができます。
一例としては、一般消費財・化成品メーカー(代表例としては花王など)、主に陸運等の物流業などが候補となるでしょう。

仮にこれらの銘柄を購入する場合は、上記リスクを十分に注意したうえで、慎重に検討することを勧めます。

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